ねこみです。
長男ぽにおはASD(自閉スペクトラム症)の診断を受けています。
ぽにおは小さいころ、こだわりやルーティーンがあって、なかなか次の行動に移ることができない子供でした。
「どうしてこんなに時間がかかるんだろう」
動画をやめられない、遊びを終われない、
声を掛けるたびに気持ちが荒れてしまう。
「切り替え」の難しさに悩む日々でした。
でもそれは、わがままや甘えではなく、
「見通しを立てること」が苦手なために、
「次に何が起こるのかわからない」恐怖から
心を守る反応なんだと気が付きました。
この記事では、我が家で実践して実際に効果があった切り替え支援を6つ、具体例とともに紹介します。
切り替えが苦手な子は「支援」で楽になる

公園や遊園地で、小さな子が突然「イヤー!帰らない!」と泣き出す場面を見かけると、
私は心の中で「わかるわかる」とつぶやいてしまいます。
我が家の二人の子供も通った道。
特に、特性を持つぽにおの切り替えの難しさには手を焼きました。
「帰るよ」と声を掛けた瞬間に火が付いたように泣き続け、床や地面にバンと倒れたり突っ伏して怪我をすることも。
私は頭を打ってしまうのが怖くて、ぽにおのその「トリガー」を引かないよう、いつもびくびくしていました。
そんな状態を脱却できた糸口は、療育などを通して「なぜ切り替えが難しいのか」を理解できたこと。
そして、我が家なりの「支援」の方法を見つけることができたからでした。
切り替えが難しい理由は「見通しの立てにくさ」
特性のある子どもが、切り替えをすることが苦手なのは「わがまま」や「気分」の問題ではありません。
この先何が起こるかを予測する=「見通しを立てる」ことが苦手なのがその理由です。
次の行動を想像しにくい
子どもはまっさらです。
「経験」がないため、未来を「予測」しづらい。
ASD傾向の子供たちは、それが特に顕著です。
今、目の前にあることだけに集中しがちで、周りの動きに気付くのも苦手なので、
突然「はい、次」と言われても、すぐに動くことができません。
例えば「あとで○○しようね」と言われても、
「あとで」がどれくらい後なのかイメージができないため、
「あとで」を予測したり、人の動きを見て行動することにはつながらないのです。
好きな活動を止めること自体がストレス
例えば大人でも、
「あと5分で終わり」とか「次はこれをやる」とわかっていれば、心の準備ができますよね。
でもそれが突然、「いつまでそれやってんの?こっちやりなよ!」と言われたらどうでしょうか。
「いや知らんし」と、私なら言います。
なんなら睨んじゃいますね。
まだ言葉を完全に理解できず、気持ちを言葉にできない子供にとっては、それと同じなんじゃないかと私は考えます。
今の楽しいことを突然止めさせられて、強制的に次のことに取り組むように言われる(もしくは次の場所に連れていかれる)。ものすごくストレスだと想像できますよね。
加えて、大人のように言い返すこともできないので、「泣きわめく」という行動でしか
そのストレスを伝えることができないわけです。
切り替えの場面で泣いてしまうのは、ある意味で自然な反応とも言えると思います。
発達に特性がある子の切り替え支援6例【我が家の体験】
では、切り替えに悩んでいた我が家が、実際に効果を感じた関わりを関わりを6つご紹介します。
1.タイマーを使って「終わり」を見える化
切り替え支援で、まず一番取り入れやすいのがタイマーです。
「あと5分で終わりだよ」と言葉で伝えるだけでは、子供にとってはイメージしづらいことがあります。
ですが、タイマーを使って「時間の終わり」を見える形にすることで、心の準備がしやすくなります。
我が家では、タブレットで動画を見る時や勉強の休憩時間などに使用しました。
ポイントは、始める前に本人の目の前でセットすることです。
途中で「あと5分ね」と言うよりも、「このタイマーがなったら終わりね」と最初に伝えておく方が、納得しやすくなります。
ちなみに、砂時計でも大丈夫です。むしろ、「見える化」としてはこちらの方が向いているかもしれません。
初めは親が行っていた、時間を決めることもタイマーのセットも、徐々に子供が自分で行えるようになっていきます。
また、子供の理解力に合わせて、「なぜ制限をするのか」その理由を伝えていくことも大事だと思います。
2.カウントダウンで心の準備
公園や、ショッピングモールの有料遊び場等で効果的だったのが「カウントダウン」です。
いきなり終わりを伝えるのではなく、
「あと10分」だよ→「あと5分」→「あと3分」→「次に声かけたら帰るよ(=これが最後だよ)」
と、少しずつ終わりが近づいていることを伝えていきます。
こうすることで、子供は段階的に気持ちの準備ができるようになります。
特に切り替えが苦手な子にとっては、「突然終わる」ことが大きなストレスになります。
カウントダウンは、その”突然”をなくす関わりです。
我が家では、時間の概念がまだない、2.3歳ごろからこの方法を実践しています。
もちろん2歳児に「あと5分」が正確に伝わるとは思っていません。
それでも、繰り返し声をかけていくうちに、
「ママが何回か声をかけてきたら終わりなんだな」と、なんとなく理解していきました。
カウントダウンは、「時間を理解させる」というよりも、
「終わりに向かう流れを感じさせる」関わりだと思っています。
3.予定表で一日の流れを事前に共有
別の記事(→こちら)でも紹介していますが、我が家ではホワイトボードを使い、週間予定表を作って子供と確認をしています。
「学校」「習い事」「放デイ」等のルーティーンに加え、「病院」や「お出かけ」等のイレギュラーな予定も示しておきます。
一日の始まりに子供と、目印のマグネットを「今日の欄」に移動させて予定を確認する。
このひと手間で、子供の混乱がぐっと減りました。
4.イレギュラー予定は必ず事前に伝える
例えば初めての観光地に行くとき、私たち大人はスマホやガイドブックで下調べをすると思います。それを子供にもさせてあげてほしいのです。
我が家では、はじめての場所にお出かけするときは、必ずホームページ等を見せて、どんな場所なのか、そこでどんなことができるのかを事前に伝えてから出かけるようにしていました。
それをすることにより、子供は見通しを立てることができ、外出が混乱なくできるようになりました。
5.動画・ゲームは一緒に時間を決めてから開始
1と少し重なりますが、こちらは5歳ごろから意識していた関わりです。
例えば子供がゲームをやりたいと言った時、私は「ダメ」と即答しないことを決めています。
代わりに「何分やるの?」とか「長い針がどこに来たらやめる?」と聞きます。
子供の成長に合わせて約束の仕方は変わります。
大事なのは「本人が決めること」そして、「始める前に決めておくこと」。
「ダメ」と言うやり取りは、親にも子にもストレスが残ります。
気づけば、こちらが言わなくても時間を見て動けるようになっていきました。
6.時間が許すときは…とことんまで付き合ってみる
最後に、「これ」が、我が家では一番効果があった方法です。
何か予定があって急いでいるときは別ですが、時間に少し余裕がある時には、本人が納得いくまで見守って付き合ってみてほしいのです。
案外と時間がかからずに満足して
「帰る」と言ってくれる場合があります。
「いやと言うほどやらせたら、納得する」
実はこれ、私の祖母の子育てポリシーだったりします。
実際、私はぽにおが自ら次の行動に移ることができるまで、室外機の前で「クルクルだね」と相槌を打ちながらひたすら見守ったものでした。
15分くらいすると気が済んで、帰ることができました。
私たちにとって、これが一番摩擦が少ない方法だったことは間違いありません。
無理に切り替えさせるよりも、納得して動く経験を積み重ねることが
結果的に一番スムーズな方法でした。
まとめ:共感から始まった、我が家の切り替え支援
今回は、我が家で実際に効果があった切り替えの支援をご紹介しました。
切り替えが苦手な子にとって大切なのは、
「納得して終われること」だと感じています。
そのために「見通し」や「おたがいに納得のルール」が必要になります。
そしてその根底にはいつも「共感(楽しいよね、続けたいよね)」があります。
でも実は、我が家でこれらを頑張っていたのって、今思えば全部で5~6年くらいのことでした。
いつの間にか「支援」を必要としなくなる。それが子供です。
過ぎてしまえば、あの頃の毎日も懐かしく感じます。
この経験が、どこかのご家庭の、子育てのヒントとなれば嬉しいです。
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